生きにくい人々

善良で心の清い人間ほど、世の中とは生きにくいものである。
俺なんかはもう汚い事とか理不尽な事は「まあ仕方ねえな」と割り切る事ができるいい加減な奴なのだが、中にはそれができずに社会で孤立したり心を病んでしまったりする人もいる。
子供の心を持ったまま大人になった、ある意味とても純粋な人にそういうタイプが多いような気がする。ただ精神年齢が低いだけの俺のような人間とは違い、自分の心にある少しの汚い部分すら許す事ができないという感じ。たとえて言うなら、夏目漱石の「こころ」に登場する「K」みたいなタイプ。
こういう人は、心が繊細で感受性が高くちょっとした事で激しく落ち込んでしまうため、社会に順応しにくいようである。また、人の不正も許せないので、しばしば周囲とトラブルを起こす。
そういえばうちの家族は、皆こんな性格をしているような気がする。親父はこの性格に加え、自衛隊生活が長く社会を知らなかったせいで、年下の上司との人間関係に悩んでいつも「仕事やめたい」って言っている。母は、とあるカウンセリングを受けたときに、自分の深層心理にあった自分の汚い考えに耐えられずに精神を病んでしまった。姉は病気で家にずっといたせいもあり、中身が中学生ぐらいのままで大人になってしまった。妹は、いわゆるリア充に近いギャル系だし、友達もいっぱいいるのだが、人の悪口とか不正を許せない性格のため、それでトラブルを起こす事が多いようだ。