鎮痛作用による不都合

医者が言うには、母がいつも飲んでいる向精神薬の副作用で脳の感覚が鈍っていたため痛みをあまり感じなかったのが、盲腸炎の発見が遅れた原因だそうな。
普通の人はすごく痛いはずなのに、腹を開いてみるまでそれほどの痛みを訴えなかった為か、手術前は「腹膜炎を起こしかけています」とだけ言われ、手術後「既に盲腸は破裂しており、膿が漏れて小腸がかなり壊死していた。こんなひどい状態は初めてだ」と医者に言われた。腸を結構切除したらしく、しばらくの間は飲まず食わずで腸に通したドレーンで膿を出すらしい。
向精神薬を飲まないと、鬱がひどくなって最悪昏迷状態に陥ってしまう事もあるので、鬱病を患っている時は、ずっと飲み続けなければならない。しかし、他の疾患による痛みに対して鈍感になってしまうのは困り物だ。その病気が命に関わる物だとしたら余計に。
今回は母が自発的に診察を受けに行ったから良かったものの、あと少し放っておいたら手遅れだったかも知れない。そう考えるとぞっとした。実は十日程前に一度腹痛で病院に運ばれたのだが、その時は薬をもらって様子を見るという事で帰されたらしい。その時点で検査をしていれば早期発見できたはずなのだが、本人の痛みが大した事がないようなので見逃してしまったのだろうか・・・基本的に医者は、症状を患者による自己申告か、見た目でわかる状態で判断するからなあ。