ウェブコミック
最近…というか、インターネット常時接続が当たり前になってきてから、ネット上に自作の漫画や動画や音楽を配信する人が増えてきたように思う。
昔は、ダイヤルアップ回線だった為、画像の読み込みにも時間がかかり、ダウンロードに時間のかかる動画なんてもってのほかだし、音楽を強制的に流すサイトは嫌われていたものである（これは今もか？）
画像を極力使わず、テキストのみで見やすく面白いサイトが人気だった。
接続した時間の分だけ電話代がかかっていた為、短時間の間にいかに多くのサイトを巡り、キャッシュを取得するかを考えてネットをしなければならなかった。
しかし、ADSLやFTTHの普及により、短時間で大容量のデータをダウンロードする事が可能となった。加えて常時接続のため、何時間繋いでいても料金はほとんど変わらない。だから、時間を気にする必要が全くない。
パソコンで動画を見る事が当たり前となり、ニコニコのように動画にコメントまで付けられるサイトまで出来るようになるとは、まったく科学の進歩には恐れ入る。少なくとも俺がネットを始めた10年前には考えられなかった事である。
そんな中、ウェブコミックというジャンルも一般的になってきている。
アマチュアの人達が趣味で描いた漫画をネット上で発表するものだが、そこでスキルアップしてプロになった人もいるようだ。
最近ではウェブコミック専用のポータルサイトもあり、そこから漫画雑誌の編集者にスカウトされた人もいるらしい。
また、ウェブコミックが大ブレイクして、書籍化されたという話も聞く。
商業ベースでないとはいえ、結構あなどれないものである。
今回は、私が個人的に好きな作品をいくつかピックアップしてみる。
「カテ☆パラ〜家庭教師パラサイト」
去年仕事をやめて、自宅で貯金を食いつぶしながらニートしてた時に読んでいた。
同じパラサイトかつニートである主人公に親近感を持っていた。
内容は、公務員試験合格を目指す28歳ニートが、高校生の家庭教師をしながら、一緒に公務員試験について勉強していく…という話。
↓ここからネタバレ↓
28歳男の女装が実際どれだけ通用するのか？は置いとくとして、教職課程→教員採用試験ってかなりの茨道だと思うんだがな。
結局、この年にしてようやく本当にやりたいことを見つけましたっていうオチでFAってこと？
ちなみに作者も、主人公と同じく公務員試験合格を目指していたらしい。現在は再チャレンジ枠に挑戦中とか。合格に向けて是非とも頑張ってほしい。
自分もこれを読んで一瞬だけ公務員を目指そうかと思ったが、学力が足りなすぎるので3秒で諦めた。
「同人王」
同じく仕事をやめて自宅ニートしていた頃に読み始めた。
何をやっても駄目な大学生が、同人で一山当てようというコンセプトの話のようだ。
↓ここからネタバレ↓
自分には普通に就職するのは無理→同人で儲けて食っていこうという後ろ向きな動機で同人を始めたはいいが、そこでも自分の駄目っぷりを思い知り絶望する。
途中から、主人公がライバル視する同人王「肉便器先生」中心の展開になっていき、彼女の過去や何やらが一通り語られた後、いろいろあって二人で合同誌を作る事に。
合同誌を作る事が何の解決になるのか、肉便器先生の意図がいまいちわかりづらいのだが、これは今後の展開に期待するしかない。作者は現在アシやらで忙しくて同人王どころじゃないらしいが。
個人的に、この作者には成功して欲しいと思っているが、でも実際成功してしまったら嫉妬してしまいそうだ…なんとなく。
そして、主人公が初同人で犯した失敗…これほんとに笑えないんだわ；
俺は高校2年生の頃、初めて同人誌というものを作成したのだが、貧乏なくせにオフセットで印刷（ページ数が多いため、コピーだと手間がかかるという単純な理由）
しかも金がないから、当時一番安かった印刷所の割引フェアーを利用し、1週間という短すぎる納期で発注した為、裁断ミスでページがところどころくっついていたり、紙をケチったため貧相な仕上がりだったり、とにかくさんざんだった。
しかも、漫画の正しい描き方を知らなかったため、ストーリーは滅茶苦茶。それでも自分では上手いと思っていたのだから始末が悪い。何の根拠もなく、たくさん売れるものだと思っていた。
…しかし、もののみごとに売れなかった。
いや、最初のイベントでは、ジャンルの珍しさからか、5部ぐらいぽつぽつと売れていたのだが、次に参加したイベントでは全く売れなかったんだったな。その後も何度かイベントに参加したが、相変わらず全く売れずじまい。
結局、大量に余った在庫はちり紙交換に出したんだっけ。
嫌な事を思い出しちまったぜ…
ちなみにその筋の人によると、同人で大儲けするよりも、商業誌デビューする方がまだ簡単らしい。コミックスが売れて印税が入れば普通に食っていけるだけの収入は得られるようだし。
