おのぼり物語

カラスヤサトシの「おのぼり物語」を読んでみた。

作者が30歳を目前に、大阪から東京に上京するまで〜東京で落ち着くまでが描かれている。
福満しげゆきの「僕の小規模な失敗東村アキコの「ひまわりっ!」等のような、最近割と多い、漫画家の自伝的漫画である。古くは藤子不二夫Aの「まんが道」が有名ですね。
これを読んで、自分の静岡に出てきた頃と重なる部分が結構あるような気がして、胸が苦しくなった。道端のカエルを助けようと公園まで連れて行くシーンになぜか泣いた。
俺の場合は、東京じゃないので「上京」とは言わないが、実家からかなり遠い所に一人きりで出て来てしまったという点は同じなので、その上で感じた不安とか寂しさ等はそう変わらないのではないかと思った。
最初の方は、新しい生活へのワクワク感の方が強く、寂しさや不安などを感じる暇などないので、割と明るいノリで進んでいる。
しかし後半になって、自分の安定しない立場や収入への不安、都会ならではの寂しさ等が強調されていき、なんか読んでいて心が苦しくなってくるのである。そしてアパートからの急な立ち退き要請。仕事も収入もほとんどなく、東京生活にいきづまりを感じている矢先に、父が癌で余命幾許も無い事を知らされる。

・・・あーなんかさ、色々と自分の身にも降りかかってきそうで、憂鬱になった。父ちゃん、まだまだ長生きしてくれよ・・・母ちゃん、ちゃんと散歩とかして、寝たきりにならないでくれよ・・・先日も、母方の祖父が亡くなったばかりだし、不安だ・・・

やっぱ年末家に帰るわ。いつ何が起こるかわからんし。