何のとりえもない人間

自分を客観的に振り返ってみると、本当にどうしようもない人間だったと思う。
頭の回転は鈍いし、空気は読めないし、人付き合いも苦手。よく嫌われ絶交され、現在は友達が一人もいない。だからといって勉強もできず、小卒程度の学力しかなく、無知で世間知らず。運動能力も極端に低く、逆上がりはできないし、マラソン大会ではいつもビリだった。
趣味の方ならどうかと言われると、自分では得意だと思っていた絵も、所詮は井の中の蛙で、プロを目指す人々からすれば、かなり下手な部類に入るものだという事が明らかになった。ゲームも対戦ができないほど下手糞だし、楽器も演奏できないし、メカやファッションにも興味を持てないし、なんか本当に駄目人間。
それでも生きていこうと思えるのは、訪れるはずもない「幸せ」をいつか掴める日を夢見ているからなのだろうか。大人になれば幸せになれると子供の頃は信じていたが、実際なってみると子供の頃よりも不幸になった。考えてみれば、こんな人間が大した努力もせずに幸せになれるはずがないのだ。多分10年後はもっと不幸になるだろう。生きていくのが恐いなあ・・・不幸にならないためには、今馬車馬のように働き、死に物狂いの努力をしないといけないのか。人生ってなんだろう。